成功の秘訣は顧客心理にあり?人の心を動かすコピーライティングとは
広告コピーは、人の行動を誘発するもの。
効果的なコピーを作るためにはユーザーの心を読み取り、行動したくなるような仕掛けを行う必要があるのです。
実際に広告の世界では、人の行動心理をついたマーケティングの手法が使われています。皆さんも、ランディングページなどを読み進めているうちについつい頷いてしまったり、問い合わせのボタンに手が伸びてしまったりという経験はありませんか?
今回は数多くある消費心理を突いたコピーライティングのうち、5つの手法をまとめて紹介していきます。
みんなが支持しているものは価値がある!?
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累計◯◯食突破のダイエットフード
全米◯万人が泣いた感動の話題作
こんなコピー、見たことはありませんか?
「多くの人が認めているなら、これはいいものに違いない」「自分も流行に乗り遅れて損をしたくない」と感じて、多数派に賛同したり、商品を買いたくなるこうした心理は「バンドワゴン効果」と呼ばれています。
この効果を利用したコピーを作るコツは、商品やサービスが今現在ブームとなっており、多くの人の支持を得ていることをアピールすること。具体的な支持内容や信頼の置ける数字と共に、キャッチコピーなどを作ることで、消費の気持ちを掻き立て、行動に移すきっかけを与えることができます。
はじめに見たものが一番印象強い?
日本初!薄毛のための医薬品
売り上げNo1の美白化粧水
といったように、キャッチコピーの文頭に商品やサービスの成し得た結果が紹介されているものがあります。これも実は消費者心理をついたもの。人は文章を見た際、はじめに見た数字を強く認識しており、物事の決定に際してこの最初の数字を判断基準にすることが多いのです。
これを「アンカーリング効果」といます。
キャッチコピーを書く際、製品の特徴以上に、売り上げの実績などがある場合は、こうした具体的な数字などを文頭に持ってくることで、読み手に大きなインパクトを与えることができます。
言ってることは同じ、でも捉え方は逆!?
コップに半分水が入っている時、「もう半分しか残っていない」と考えるか「まだ半分もある」と考えるかで、人のモチベーションは大きく異なるという有名なたとえ話があります。
これを「リフレーミング」といいます。
同じ事象でも、見方の枠組み(フレーム)を変えることで全く印象が違ってくるというのはよくあることです。キャッチコピーでも例えば、「大学生の6割が使いやすいと答えた」という事実を「過半数以上の大学生が認めた使い心地」と言い換えることで、読み手により強い印象を与えるといった使い方をします。
限定10食は本当か
街の定食屋などで見かける、「限定◯◯食」と書かれた特別メニュー。
実は、限定食以上の用意があることが多いんだとか。
これは「スノッブ効果」と呼ばれるもので、人は無意識に「手に入りにくいものは価値がある」と思い込むという心理を逆手に取ったもの。
キャッチコピーでも「数量限定」、「残りわずか」、「次回入荷未定」などといった言葉を用いることで、製品やサービスを価値あるものとして認識させることができます。
「押すな!」と言われると押したくなる?
熱湯コマーシャルではありませんが、人は禁止されるとついつい禁を破ってしまいたくなるものです。こうした人の習性は俗に「カリギュラ効果」と呼ばれています。
これは、1980年の映画カリギュラがあまりに過激だったため、公開を禁止にしたところ、かえって世間が話題にしたという実話によるもの。
キャッチコピーでも「まだタバコを吸いたいなら読まないでください」、「まずい、もう一杯」などというような逆説的な言葉遣いをしているものがあります。
これらも、禁止されると帰ってやりたくなる心理の隙をついたコピーの好例であるといえます。
ただし、コピーライティングには誠実さが不可欠
広告の世界に属するコピーライターの多くは、意識、無意識を問わずこうした消費者心理を捉えたキャッチコピーや文章を作成しています。
中には複数の心理効果を狙っているものも少なくありません。
こうしたコピーを作る上でやってはいけないことは、コピーの内容に嘘があること。製品の効果や効能、売上の数字などが虚偽であった場合は、消費者の印象を引き出すどころか、企業としての信頼が失墜します。
ただし、こうした技術によって読み手が受け取るイメージが真実である場合は、広告コピーがより多くの効果を上げることができるでしょう。