クレカ決済の本人認証サービス「3Dセキュア2.0」(EMV 3Dセキュア)とは?
クレジットカード決済に関して、不正利用を防ぐための本人認証サービス「3Dセキュア」。
これまではバージョンが「3Dセキュア1.0」でしたが、2021年10月以降「3Dセキュア1.0」のチャージバック補償が段階的に終了し、国際市場においても次バージョンの「3Dセキュア2.0」に移行・切り替えが進んでいるのを受け、日本国内においても移行が進められています。
そこでここでは、「3Dセキュア2.0」とはどのような点で従来と異なるのか、その特徴についてご説明します。
3Dセキュア2.0が誕生した背景
EC利用をはじめ、キャッシュレス化の波が急激に押し寄せている昨今、クレジットカード決済はもはや支払い方法の主として挙がるようになっています。
ですがその利便性の反面、クレジットカードの不正利用犯罪も比例して増加。一般社団法人日本クレジット協会のレポート『クレジットカード不正利用被害の集計結果について』によると、2020年第4四半期(10月~12 月分)では、
今四半期の不正利用被害額は72.5億円で前期比(2020年第3四半 期(7月~9月))では22.7%の増加、不正利用被害額に占める偽造被害額は1.3億円 で8.3%の増加、番号盗用被害額は67.1億円で24.0%の増加、その他不正利用被害額は4.1億円で7.9%の増加となりました。
とのこと。
今後、これまで以上にクレジットカード決済の普及が見込まれることからも、不正利用被害を事前に防ぐための対策の改善は必至となっています。
そこで登場したのが、「3Dセキュア2.0」。「3Dセキュア1.0」以上のセキュリティ強化がされた本人認証サービスとして、切り替えが進んでいるのです。
「3Dセキュア1.0」と「3Dセキュア2.0」の違い
では、「3Dセキュア1.0」と「3Dセキュア2.0」とでは、どのような点で異なるのか見ていきましょう。
■本人認証方式
・3Dセキュア1.0:(全取引において)ID/PWの入力
・3Dセキュア2.0:(※本人確認を求められた場合に限り)ワンタイムパスワード、生体認証など ※カード発行会社が高リスクだと判断した場合のみ追加認証する「リスクベース認証」を採用
■モバイル対応
・3Dセキュア1.0:ブラウザ取引のみ、アプリ非推奨
・3Dセキュア2.0:ブラウザ・アプリともに対応
■チャージバック補償
・3Dセキュア1.0:段階的に終了
・3Dセキュア2.0:対応
■対応カードブランド
・3Dセキュア1.0:VISA、MasterCard、JCB、American Express(オプション)
・3Dセキュア2.0:VISA、MasterCard、JCB、American Express、Diners Club
3Dセキュア2.0のメリットとは
では、「3Dセキュア2.0」を導入した際、「3Dセキュア1.0」と比較してどのような点でメリットがあるのでしょうか。
先述の「本人認証方式」において、「3Dセキュア1.0」は全取引において、ユーザーが設定したID/PWの入力が要求されます。
そのため、EC利用の場合、ユーザーは購入前のそのワンステップにおいてわずらわしさを感じ、離脱してしまうことが往々にしてあります。
ですが、「3Dセキュア2.0」では、カード発行会社が高リスクだと判断した場合のみ追加認証する「リスクベース認証」を採用しているため、基本的には本人認証作業がなくスムーズに決済へと進むことができるのです。
結果的に、決済前の離脱率が下がると予想されるのです。
3Dセキュア2.0に移行するには
まずは、契約している決済代行会社やECカート企業に問い合わせ、なんらかの対応が必要なのか、自動で移行されるのか確認しましょう。
もしも自社で「3Dセキュア2.0」移行作業を行わなくてはいけないとしても、先送りせず、ユーザーに安心してオンラインショッピングを楽しんもらうためにも、「3Dセキュア2.0」の導入をぜひ検討してください。
キーワード
登録されたキーワードはありません