仮想空間がここまで進化!メタバースとは?
ここ数年の流行キーワード「メタバース」ですが、実際に体験し、ビジネスとして役立てている人はどれくらいいるのでしょうか?
「おそらく次の時代のビジネスには重要な役割を果たすはずなのだけど知識は今ひとつ……」という人が多いのはないでしょうか。
そこでここでは、分かっているようで分からないメタバースと、メタバースにおけるビジネスの最前線をご紹介いたします。
そもそもメタバースって?
そもそもメタバースとは、「メタ(超)」と「ユニバース(宇宙)」を組み合わせた造語で、コンピューターの中に構築された3次元の仮想空間を指します。
そのなかで、ユーザーは「アバター」という自分の分身を作って自由に空間を往来し、他のユーザーと出会い、語り合い、時にはビジネスも行います。
メタバースの歴史
仮想空間を自由に移動し、いろいろな人と出会うという仕組み自体は、古くは1997年に「ウルティマオンライン」というゲームが発表され、以後多くのオンラインゲームで採用され、多くのユーザーがプレイしています。
そしてメタバースの前身とも言えるサービス「Second Life」が2003年にサービスを開始しました。
しかし当時は、普及しているパソコンの性能も低く、十分な通信環境も整っていなかったため参加者は限られていましたが、それでも100万人のユーザーが参加し、アメリカの大手金融機関やコンピューターメーカー、日本では電通が参入したとして話題になりました。
メタバースの現状
1997年から25年が経過した2022年現在では、通信環境の普及とスマートフォンの普及により、手軽に世界中にアクセス出来るようになり、手軽に海外のECサイトで買い物をしたり、他の国の人と会話をしたりすることが出来るようになりました。
そこで2020年頃から、大手ソフトウェア会社や通信会社が積極的にメタバースへの投資をはじめています。
有名なところではFacebook社が社名を「Meta」に変更し、日本円にして1兆円をメタバースに投資しています。また、2021年にはカナダの投資会社がメタバースにある土地を243万ドル(約2億8000万)で購入したという事例もあります。
その他の企業も、メタバース空間で展示会やイベントを開催することで大きな集客を獲得したり、ECサイトに誘導する施策でもってビジネス化しようとしたりする動きがあります。
オンラインシューティングゲームとして有名な「フォートナイト」は、その機能を使って有名アーティストがライブを行った例もあり、ゲーム空間でありながらゲーム以外の活用方法が示されたという点では、メタバースのひとつの可能性を示したといえます。
また、現在ビジネスモデルとして確立しているのが「デジタルツイン」です。
デジタルツインとは、実際に存在する都市を仮想空間の中に再現し、現実ではできないような大規模再開発による環境変化の確認や、災害時の状況などをシミュレートすることで、防災計画を立てるなど「現実世界の大規模実験場」としての活用が進んでいます。
仮想通貨・NFTとの融合
仮想通貨とNFT(非代替性トークン)はもともと別の技術ですが、メタバースのとの相性は良く、メタバース内での取引は仮想通貨で取引されることが多くあります。
またNFTアートがメタバース内の美術館でしか見られないということになれば、メタバースを利用する価値が生まれます。
残された課題
【1.通信環境と、ハードウェアの問題】
2000年初頭に比べたら遥かに快適な通信環境になりましたが、まだまだ地域によってタイムラグが発生します。
また、3D空間を自由に移動できる機材は高価で、ストレス無くプレイする環境を用意するには20万円近い機材を揃える必要があります。
【2.メタバースだからこそできるビジネスモデルの確立】
3D空間に広大な土地があり、世界中の誰とでもつながることが出来る、というのは非常に可能性を感じさせるキーワードであることは間違いありません。
が、現時点でもZOOMやGoogle Meetによって遠隔地とのコミュニケーションは可能であり、Amazonにアクセスすれば世界中の商品を手に入れることができます。
それらを越えてなお、メタバースの臨場感がないと成立し得ないビジネスやエンターテインメントとは何かを模索しているのが世界の現状です。
メタバースの未来に期待
まだまだ投資フェーズにあるメタバースですが、将来的には機材の小型化、廉価化が進み、今のスマートフォンのような感覚で気軽に仮想空間にアクセス出来る時代が来るでしょう。
通信環境もさらに進化して6Gや7Gの時代になれば、地球の反対側にいる人と今以上に臨場感を共有できるようになると思われます。そのときに生まれる新たな価値に期待しつつ、メタバースの今後のビジネス展開に注目です。
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