消費者庁トピックス|「これって1回限りじゃないの!?」チラシ公表で不正定期購入広告に注意喚起
単品リピート通販を行っている事業主にとって、一般消費者に「定期購入」を長く継続してもらうための施策は、どれだけ駆使しても足りないほど頭を悩ませる案件かと思われます。
ここ数年においては、購入回数が最初に決められている(いわゆる「縛り」を設けた)、1回の購入で数回分の確約を取る方式のリピート通販サイトが数多く誕生しています。
そのような中、消費者庁は2019年12月25日、通販販売業者2社に対して「特定商取引法に基づく行政処分」を実施しました。
また、合わせて、「これって1回限りじゃないの!?」チラシを公表したことは、記憶に新しいのではないでしょうか。
そこでここでは、消費者庁による「これって1回限りじゃないの!?」チラシとはどのような内容のモノなのか、ご紹介します。
特定商取引法に基づく行政処分実施の理由
消費者庁による、通販販売業者2社に対しての「特定商取引法に基づく行政処分」の実施の理由は、平たく言えば「定期購入だと分かる注意書きが著しく小さい」という点にあります。
さらには、商品の購入申込みを行う最終画面を何度もスクロールしなければ、一般消費者が契約内容を確認することができない仕組みになっていた点も、問題として指摘されています。
また、改正特定商取引法においては、通信販売・ネット通販の申込み・確認画面上に、「(1回きりの購入では終わらず)定期購入であること」「(規定の回数を購入する際の)支払総額」「契約期間(何回購入しなくてはいけないか)」など、販売条件の明記を義務付けていますが、これらの項目を明記していなかった点も、行政処分の対象となっています。
「これって1回限りじゃないの!?」チラシとは
では、消費者庁による「これって1回限りじゃないの!?」チラシとは、どのようなモノなのか、見ていきましょう。
このチラシは、一般消費者に向けての「通販申込み」における注意喚起の意図があります。
基本的には、以下の5項目を「初回購入前」にきちんと確認しましょう、ということを示しています。
・1回限りの購入か、継続的な購入(定期購入)かどうか
・継続的な購入の場合、その回数は何回と決められているのか。解約しない限り、購入し続けなくてはいけないのか
・解約方法・条件、返品方法・条件は?
・継続的な購入の場合、(絶対に購入しなくてはならない)総額や一定期間での支払い額は?
・(特に2回目以降の商品購入時の)支払い時期や引渡時期は?
また、この注意喚起チラシ内の例として、「お試し」「初回無料」「モニター募集」「初回特別価格」などと書かれていても、実は申し込むと自動的に定期購入の契約をしている可能性がある、ということが指摘されています。
さらには、重要な契約内容のみ小さな文字で記載されているパターンもあるため、必ず規約内容は読むように書かれています。
■消費者庁「これって1回限りじゃないの!?」チラシPDF https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_transaction_cms203_191226_03.pdf
消費者との信頼関係を第一に!
商品自体の魅力は当然のことながら、消費者にとってより購入動機となるメリットを謳う手法は、販売者側のマーケティング戦略としては珍しいことではありません。
しかし、消費者に誤解を与える誘導を故意に行い、結果的に損害を与えてしまっては、企業自体の信頼が失墜してしまいます。
定期購入を促す場合であろうとも、不適切な表示やサイトの構造は回避し、消費者との信頼関係を築いて長く良好な取引が行えるように心がけましょう!
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