コロナ禍にみるシニア層のEC利用の変化とは?データから見るオンライン利用の増減
2020年9月の時点で65才以上の人口が3617万人と、前年に比べ30 万人増加し、過去最多となっている現在、シニア層をターゲットにしたビジネスは年々大きくなっています。
その中でも、2020年からのコロナ禍による生活形態の変化も伴い、シニア層のEC利用については注目を集めています。
そこでここでは、「趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)シニアコミュニティラボ」と博報堂がシニア世代に行った調査結果(2021年3月9日~22日実施)をもとに、どのようにシニア層のEC利用率が変化しているのかをご紹介します。
オンラインで行うことが増えたこと
まずは、新型コロナウィルスの流行以降に、オンラインで行うことが増えたことについての回答を見ていきましょう。
以下は、2020年4月の調査結果との比較です。
※出典:博報堂 調査レポート「博報堂シニアビジネスフォース × 趣味人倶楽部『アクティブシニア』調査 ①オンライン行動編」
回答内容を見てみると、一番左の「ネットニュースを読む」以外はすべて増加しています。
・ネットニュースを読む 60.9→49.8
・無料の動画を見る(動画投稿サイトなど)27.6→39.6
・ネットショッピングする 12.9→30.0
・SNSを読む 25.4→25.5
・メッセンジャーアプリで友人や家族とやりとりする 23.7→24.8
・メッセンジャーアプリで友人や家族と会話する 10.6→16.3
・Web会議ツールを利用して友人や家族と会話する 2.3→11.9
・オンライン講座やクラスなどを受講する 1.5→9.8
・産地から直接食材を取り寄せる(野菜、肉など)0.0→8.9
・SNSに投稿する 6.7→7.8
同じ質問の回答内容を、さらに男女別で見ていきます。
※出典:博報堂 調査レポート「博報堂シニアビジネスフォース × 趣味人倶楽部『アクティブシニア』調査 ①オンライン行動編」
上の男女別の回答結果から、「ネットショッピングをする」の項目における女性との前年比が「15.7→40.3」と大幅にアップしていることが分かります(同項目の男性の回答結果は「11.9→26.4」)。
ネットショッピングでの買い物の頻度の変化について
では次に、新型コロナウィルスの流行以降に、ネットショッピングでの買い物の頻度に変化があったのかについての回答を見ていきましょう。
※出典:博報堂 調査レポート「博報堂シニアビジネスフォース × 趣味人倶楽部『アクティブシニア』調査 ①オンライン行動編」
2020年と比較し、2021年には約3倍に増えています(9.6→30.5)。
さらに、購買商品の項目を詳細に見ると、
・オンライン購入が多いものは「衛生商品(マスクなど) (15.9%→15.3%)」「趣味関 連商品(11.6%→18.9%)」「食品(9.9%→15.2%)」
・オンライン購入が増えたものは「家電・電化製品(3.6%→13.3%)」「趣味関連商品 (11.6%→18.9%)」「衣類(3.2%→10.4%)」
という結果が発表されています。
コロナ禍でのEC利用は増加傾向に
以上から、2020年のコロナ禍以降2021年に至るまで、シニア層のEC利用は如実に増えており、特に女性が積極的にEC利用の頻度を高めていることが分かりました。
外出の自粛により、これまでEC利用をあまりしてこなかったシニア層にもEC利用の機会が増えている昨今、シニア層を新たな顧客としていかにユーザビリティを高めていくか、EC事業者にとって重要なポイントと言えます。
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