EC豆知識!ユニファイドコマースとは?
様々な販売チャネルをもつ企業が多くなる中、単純な販売方法だけではなかなか通用しづらくなっている昨今。
顧客ひとりひとりを分析し、企業からアプローチする「ユニファイドコマース」というマーケティング手法が注目されています。そこでここでは、ユニファイドコマースの基本についてご紹介します。
ユニファイドコマースとは
ユニファイドコマース(Unified Commerce)とは、オンラインやオフラインに関わらず、様々な販売チャネルで得られる顧客データを単一のプラットフォームで管理する手法のこと。
例えば、実店舗に訪れた顧客が自社のECサイトでの購入履歴があった場合、そのデータをもとに商品を勧める、といった顧客体験を提供することが可能となります。
オムニチャネルとの違い
ユニファイドコマースを紹介するにあたって、よく「オムニチャネルとの違いがわからない」という疑問があげられますが、この二つは似ているようで違ったものです。
この2つの違いを説明するために、まずはオムニチャネルを再確認しましょう。
オムニチャネルとは、店舗やECサイトなど、オンラインやオフライン問わず、顧客と接点を作り、購入の経路を意識させずに販売促進につなげる手法のこと。
オムニチャンネルでは、販売機会の損失を防げるだけでなく、新たな顧客接点の創出にもつながりますが、これらのチャネルで得られた顧客データを統一しているとは限りません。
ユニファイドコマースでは、オムニチャネルで得られたデータを一元管理し、それらのデータをもとに顧客ごとに最適なサービスや商品を提供することを目指しているのです。
注目される理由
多様化する顧客のニーズや購入経路への対応を企業には求められており、企業はその中で利益の最大化を目指しています。
そういった中、ユニクロでおなじみのファ―ストリテイリング社が2019年に公表したデータでも、ECサイトと店舗を併用する顧客のほうが、どちらかのみを利用する顧客よりも年間の平均購入単価や購入回数が多いという実態が明示されており、マルチチャネルやオムニチャネルの対応は必須とみられています。
また、日本国内では人口の減少や消費行動の変化を踏まえ、顧客ひとりひとりを大事にし顧客単価を伸ばしていくという戦略が定着しており、これらの背景とユニファイドコマースの手法が合致したことから、現在注目されている手法となっていると考えられます。
■参考サイト: ファストリテーリング資料(2019年10月10日付)https://www.fastretailing.com/jp/ir/library/pdf/20191010_kusaka.pdf
ユニファイドコマースの利点
顧客の購入体験を優れたものにして売り上げをあげる利点は、ユニファイドコマースにとって中心的なものとなりますが、そのほかにも利点があります。
まずは、自社の在庫がリアルタイムに可視化されることによって在庫管理に役立つことが期待できます。リアルタイムに在庫を管理することにより、顧客が店舗で在庫切れの製品を購入したのち、倉庫から自宅に発送をするといった手法も実現できます。
また、顧客はオンラインやオフラインに関わらず、シームレスなショッピング体験が可能になります。例えば、オンラインで購入し、店舗で受け取り、返品・交換するときはオンラインといった体験を提供することも可能です。
最後の利点として、ユニファイドコマースは複数の販売チャネル、複数のデータ管理システムといった複雑な状況を簡素化し、顧客データの管理をわかりやすいものにすると期待できます。
複数の販売チャネルを一つのテクノロジーで管理することで得られる利益は、ビジネスを加速させるだけでなく、場合によっては管理費の削減につながることもあります。
ユニファイドコマースで事業の可能性を広げる
このように様々な利点があるユニファイドコマースの手法ですが、テクノロジーの導入やデータの統合や整理など課題もあります。
しかし、導入することによって事業の可能性が広がることも確かです。現在の事業展開に対して新たな一手を模索しているのなら、ユニファイドコマースをご検討してもよいのではないでしょうか。
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