A/Bテスト実施時の注意点|コスパの高い広告運用を行う前に押さえておくべきこと
チラシやネット広告など新しい施策を行う際、広告効果を最大に高めるために行われる「A/Bテスト」。
「A/Bテスト」とは、キャッチコピーや訴求ポイントなどが異なる複数の広告パターンを用意して、どちらの(どの)広告が一番ユーザーの反応が良く、費用対効果が高いかを比較することを指します。
ネット広告の場合ならCTRやCVRの高さが指標となります。
正しく行えば、無駄な広告費をかけることがなくなるためにマーケティング戦略に有効なデータとなります。ですが誤った方法でA/Bテストを行ってしまうと、正しい結果を得ることができず、信ぴょう性のないデータのままで広告運用を続けてしまうリスクが高まることは否めません。
そこでここでは、A/Bテスト実施時に最低限気を付けなくてはならない重要ポイントについてご紹介します。
A/Bテストの注意点1.短期計測で結論を出さない
たとえばネット広告で、キャッチコピーの異なるAとB、2種類の広告を用意したとします。
そして1週間、同時にAとBを走らせ、そのアクセス数とCVR(コンバージョン率)を比較します。
するとAとBのアクセス数がほぼ同じであるにもかかわらず、購入者数が倍ほどもBのほうが多かった場合、「AよりもBのほうがCVRが高いため、Bのほうが反応の良い広告である」と言えます。
ですがもしもこの後もAB両方の広告について計測し続けたなら、もしかすると最終的に結果が逆転し、「AのほうがBよりもCVRが高いため、Bのほうが反応の良い広告である」となる可能性があります。
どうしてのこのような真逆の結果が出てしまうのかと言えば、そもそも最初の2週間ではアクセス数自体が少ないため、数人の購入者が出るだけで結果がすぐに逆転してしまう不安定な状態だからです。
これでは検証結果としての信ぴょう性が低く、計測期間が伸びてアクセス数が増えると、上記の例のように結果が反対になってしまうことがあるのです。
そのためA/Bテストを行う際は短期間で終わらせず、一定期間(目安としておよそ1か月)を設けてアクセス数を確保する必要があります。
A/Bテストの注意点2.同時期に計測しないと別要因が絡む
たとえば、最初にAパターンのバナー広告を走らせていたものの、あまり芳しくないCVR結果が出ていたために、改善策としてデザインの異なるバナー広告Bパターンを用意したとします。
その際、広告出稿費を増やすことができないために、Aパターンを1か月間走らせた後、Bパターンに切り替えて次の1か月間、広告を出しました。
するとBパターンのほうがCVRが良く、購入者数が増えました。
以上の結果から、「AよりもBのほうがCVRが高いため、Bのほうが反応の良い広告である」という結論になりやすくなります。ですが実は、これは不確かな結論なのです。
なぜならAパターンとBパターンとでは、テストをした「時期」が異なるから。商材によってはシーズン的な要因(気温、イベントなど)によって購入の有無が大きく左右されてしまうことを考慮しなくてはなりません。
そのためA/Bテストを行う際は、必ず同時期に複数の広告を出して比較しましょう。
A/Bテストの注意点3.異なる点は1つに絞る
これまでの例では、AパターンとBパターンの違いを「キャッチコピー」もしくは「バナーのデザイン」のみに限定していました。
ですがここで、両者の違いを「キャッチコピー」と「バナーのデザイン」の両方にし、全く異なるネット広告を打ち出したとします。
そして同時期にA/Bテストを行った結果、AのほうがCVRが高かった場合、「BよりもAのほうがCVRが高いため、Aのほうが反応の良い広告である」と結論を出そうとします。
ですがより詳細に考察した場合、Aパターンの「キャッチコピー」と「バナーのデザイン」、どちらがBパターンのそれらよりも良かったのか、区別をつけることはできません。
そのため正確なテスト結果を得るためには、変更箇所は1つに絞り込み、どの点がユーザーに対して訴求ポイントとなるのかを見極めるようにしましょう。
※この場合の例はシンプルにバナー広告における「キャッチコピー」と「デザイン」を変更点としましたが、キャッチコピーに合わせてデザインのテイストが同時に変わることは珍しくありません。
そのためあくまで分かりやすい例として捉えて頂ければ幸いです。
A/Bテストで効果的な広告運用を!
A/Bテストは費用が限られている広告運用において、「効率よくコストパフォーマンスを上げる」メジャーな手段のひとつです。
そのため多くの企業が積極的に行っていますが、実際に適したテスト結果を把握しているかどうかは不明であることも否めません。
そのためA/Bテストをこれから取り入れていこうと考えているならば、ご紹介した基本的な注意点を踏まえた上で、既存のA/Bテストツールなどを活用頂ければと思います。
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