「カンゾコーワ」の事例でみる景品表示法の問題!規制対象にならないための基本情報
商品・サービスを取り扱う企業において、避けては通れないのが「景品表示法」です。
この法律に違反をした場合、消費者庁や各都道府県より措置命令が出され、課徴金の納付などが課せられます。また、企業としての信頼性も失うことになるため、軽く見ることができません。
そこでここでは、景品表示法について、事例を出しつつご説明します。
景品表示法とは
景品表示法(正式名「不当景品類及び不当表示防止法」)とは、
商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限することなどにより、消費者のみなさんがより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守ります。(消費者庁HPより)
と書かれているように、「一般消費者の利益の保護」を目的とした法律です。
また、取り締まり対象の項目は大きく2種類に分かれ、「広告などの表示内容」と「(消費者に提供する)景品の内容」に分けられます。
以下では、前者の「広告などの表示内容」に関する事例を挙げます。
広告表示に関する景品表示法違反についての事例
2020年9月3日付で、大阪市の消費者団体「特定非営利活動法人 消費者支援機構関西」(以下、略称の「KC’s」)が名古屋市の専門商社「興和株式会社」に、「広告表示に景表法違反の疑いがある」として、同社の製品「カンゾコーワ」「カンゾコーワ粒」に対して「(優良誤認※にあたると指摘する)申入書」を送付しました。
※優良誤認:実際よりも著しく優良であると示すもの
問題になったのは、「カンゾコーワ」「カンゾコーワ粒」の容器やCM、公式サイトなどで使用されている
・「飲み会」を科学する11種の成分
・よく飲む人に
・医薬品メーカーが飲み会を科学しました
・飲むぞ!行くぞ!Kanzo!
といった表示内容です。
KC’sは、
各表示は、 カンゾコーワについて、 実際には、アルコールを分解する、二日酔いを防止・緩和するといった効果・効能が無いにもかかわらず、一般消費者にそうした効果・効能があると思わせるものであり、「実際のもの…よりも著しく優良であると誤認される表示 」(不当景品類及び不当 表示防止法30条1項1号)に該当する。
と指摘し、
「商品の容器、包材、テレビCM、ウェブサイト上の表示において、カンゾコーワには、アルコールを分解する、二日酔いを防止・緩和するといった効果・効能があると不特定かつ多数の一般消費者に誤認される表示を行わない」ことを求めたのです。
興和株式会社は回答期限前の10月1日付で、この申入書に対して「指摘を真摯に受け止め、商品ラベル・包装や販促資材等の変更について検討を進める」と回答しています。
以上のような事例からも分かるように、景品表示法に抵触している恐れのある表現を行うことで、消費者に誤解を与える・不利益が生じる懸念がある場合、数回の警告が行われ、最終的に措置命令・課徴金納付命令が消費者庁から出されることになります。
正しい情報を伝わりやすく表示しましょう!
意図的に一般消費者に事実誤認させる表示をしていなかったとしても、景品表示法に抵触していると判断された場合、規制対象となってしまうため、非常に注意が必要です。
消費者へのアピールはマーケティングの観点から欠かせませんが、誤解を生まないためにも「正しい情報を伝わりやすく」表示し、消費者とクリアな信頼関係を築くようにしましょう。
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