顧客管理の重要ポイント!カスタマーサクセス事例集
近年、EC業界をはじめとしたビジネスの世界でキーワードとしてあげられる「カスタマーサクセス」とはどんな意味かご存知でしょうか?
ビジネス最前線で語られる「カスタマーサクセス」について、その意味と事例についてご紹介いたします。
カスタマーサクセスとは?
カスタマーサクセスが求められる仕事とは、物を売って代金を受け取る商売とは異なり、インストラクターやコールセンター、ネット上で使えるソフトウェアを提供するSaaSなど継続的にサービスを利用する業種または商品です。
カスタマーサクセスは、トラブルや相談を受けたときにだけ動くカスタマーサポートと違い、お客様が目的を達成できるよう、サービスを活用してもらうために様々な提案を能動的に行います。そのためには4つのスキルが求められます。
【コンサルティングスキル】
お客様が抱えている問題を分析し、自社のサービスを使ってどのように解決するかを提案するスキルです。
【マーケティングスキル】
お客様の掲げている目標に対して、マーケットは今どういう状況にあるか、お客様会社と商品はどういった立場にあるかを分析し、提案するスキルです。
【UI/UXスキル】
UIとはユーザーインターフェース、UXはユーザーエクスペリエンスのことです。
つまりお客様にとって、使いやすい手続きや処理の流れになっているか、そしてそれらの流れを通してお客様が最短距離でストレス無く目的を達成できるかというシステムを利用する側から見た全体のデザイン能力を指します。
【プロダクトへの理解力、ツールへのリテラシー】
UI/UXを提案するにあたり、自社のツールが持っているスペック、処理能力、想定されている環境などを把握しておく必要があります。
また、ひとつのソフトウェアで顧客の問題が解決できれば、それがベストですが、予算の都合や処理の流れによっては複数のツールを組み合わせて顧客の目的を達成するという方法を提案しなければなりません。
そのときには、自社のツールだけでなく、他社のツールについても知識を深めおく必要もあります。
カスタマーサクセスの重要な指標
カスタマーサクセスとは、前述の通り商品を導入したら終わりではなく、むしろ導入後がスタートです。そこで重要になってくるのが「ヘルススコア」という指標です。
実際にシステムを導入した顧客が、きちんととシステムを理解し、利用しているかを把握しておく必要があります。
これには、システム側にフラグポイントを設け、どの機能がいつ何回使われたかというログを取っておく方法と、実際に営業が現場で利用している作業者を訪問する方法があります。
使い勝手や頻度などについてヒアリングし、改善点があればヒアリングしてくるなどして、「こんなはずじゃなかった」を防ぎ、導入されたソフトウェアのレクチャーを続けて、お客様にソフトウェアの利用方法や価値について説明し続ける必要があるのです。
カスタマーサクセス事例集
【その1:Adobe社の場合】
世界的に有名なグラフィックツールを開発販売していたAdobe社は、これまで数年に一度新バージョンのソフトを発売していましたが、大変高価でソフトのバージョン差が大きいと同じソフトのデータでも共有できないなどの問題がありました。
そこで、サブスクリプションに移行することで、月額の利用料を下げ、バージョン間のデータ共有も可能しました。
また、「プレミアムサポート」という部署を立ち上げて、顧客と自社の中間に立ち、客観的なサポートを実現しました。
さらに、顧客が自社のソフトを使いたいと相談しても、その目的や用途を精査した結果、自社のソフトをお勧めしないという提案もするそうです。
【その2:sansan社の場合】
国内屈指の名刺管理ソフトのsansan社は、自社のクラウド型名刺管理サービスを広めるために国内企業として初めて「カスタマーサクセス部門」を創設しました。
名刺と言えば、人脈の広さを測る上でのバロメーターであり、重要な個人情報です。社内でも、どれだけ要職についている人の名刺を持っているかどうかは、自己のプレゼンスを発揮する上でも重要なポイントでした。
それを社内で全社員に共有するというのですから、まさにビジネスマンの常識を覆す革命的なサービスでした。それ故にsansan社では自社の製品のメリットを感じてもらえていないという点に課題を感じていました。
そこでサービスの導入から定着まで軌道に乗せるために、使い方のレクチャーを行ったり、成功体験を創出してもらうための計画を建てたりするなどして顧客をサポートしました。
その結果、名刺管理サービスの解約率はわずか0.6%という業界トップクラスの数字を叩き出したのです。
カスタマーサクセスの目的を忘れずに
カスタマーサクセスは、競合他社に勝ち続け、長く事業展開していく上で欠かせません。ですが、基本的には「お客様にとって何がサクセス(成功)か」をベースに、目的を見失わずに体制を整えることが重要です。
カスタマーサクセスには専用のツールもあるため、ご興味がある場合はツール導入も含めて検討することをおすすめします。
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