新型コロナウイルスのEC事業者への影響は?EC事業の前年比消費指数と懸念事項
新型コロナウイルス(Covid-19)の感染拡大により、幅広い業種が多大な影響を受けていることは明らかです。このような状況下において、EC事業者への影響はどのように表面化しているのでしょうか。
2020年4月現在における、通信販売事業への影響を簡単にご紹介します。
EC事業の前年比消費指数は?
株式会社Finatextホールディングスの子会社で、ビッグデータの解析・分析を行う株式会社ナウキャストと株式会社ジェーシービーは、「JCB消費NOW」というサービスにて、クレジットカード会員の決済や属性データ等を活用し統計化し、日本国内の消費活動をデータ化しています。
そこで、2020年4月15日付で、「3月下旬の国内業種別消費動向データ」を公表。
※画像出典:「3月下旬の国内業種別消費動向データ」より
要約すると、「業種別消費指数(マクロ)」の中で6番目に位置する「EC」の3月後半は、前年と比べて6.1%増で、3月前半が4.1%増であることからも、前年比で更なる増加結果となっています。
ちなみに、EC以外の業種では、「電気・ガス・熱供給・水道業」以外はすべて前年比マイナスという結果です。
EC売上アップの要因と問題点
では、前年比増となっているECにおいて、どのような問題が出ているのでしょうか。
ECのみの事業展開を行っている企業では、店舗の休業や在宅率の高まりによりEC購入者が増えたことにより売り上げの増加が見られる、いわゆる「巣籠り需要」が売上アップの要因となっています。
ただし、製造や商品の仕入れにあたって中国や欧州など海外を拠点にしている場合、商品調達が難しくなる問題が発生。国内での需要に供給が追いつかない状況が、今後さらに悪化することが予測されます。
また、EC事業だけではなく実店舗展開も行っている場合は、実店舗の売上がマイナスになるため、ECでの売上増加が追い風になるかどうかは、新型コロナウイルスの影響が今後どの程度長期化するかどうかにもよるでしょう。
消費者ニーズに対応してEC事業の拡大を
ECの中での、ファッション業界に絞ってみた場合、日本国内のファッションEC市場は成長傾向にあり、2020年1月から3月の売上においても、前年比20%増という結果が報告されています。
ただし、これは新型コロナウイルスの影響をベースにしているとは言えず、世界的な傾向としてファッションEC市場が拡大しているため、と言えます。
しかし、やはり外出自粛やテレワーク導入などにより、平日夜の早い時間や週末でのオンラインショッピングを楽しむ人が増加傾向にある事実は見逃せません。
今後の新型コロナウイルスの影響は、どの程度長期化するのかまったく不透明です。そのためEC事業への影響もまた、現段階では不確か。ですが、今後消費者のニーズが変化することは十分に考えられるため、柔軟に対応してEC事業の拡大を行っていきましょう。
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