健康食品とは|トクホ・機能性表示食品・栄養機能食品それぞれの違いと特徴を理解しよう!
薬局やドラッグストア、WEB上のインターネット広告などにおいても、目にしない日はないほど世の中にあふれている「健康食品」。
それらの健康食品と思われる商品の中には「トクホ」であることをアピールしたり、「機能性表示食品」だと書かれていたり……。
実際、「トクホってなに? 栄養機能食品と機能性表示食品の違いは? 他の健康食品とは違うの?」という疑問を持ちつつ、あやふやなままで商品を購入している方は多いかと思われます。
そこでここでは、「健康食品」「トクホ」「栄養機能食品」「機能性表示食品」の呼称について、どのような基準で決められているのか、ご説明します。
健康食品とは
まず「健康食品」について、ご説明します。
厚生労働省の健康食品に関するホームページ内では、以下のように説明されています。
“健康食品と呼ばれるものについては、法律上の定義は無く、広く健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの全般を指しているものです。”
つまりは、後述する「トクホ」「機能性表示食品」とそれ以外のサプリメントは、全般的に「健康食品」と総称されているのです。
なお、「(医薬部外品を含む)医薬品」は、当然ながら健康食品には含まれません。そのため、大きくは「健康食品」と「医薬品」とに分かれる、と判断できます。
では健康食品にのみ注目し、さらに分類を見ていきましょう。
健康食品をさらに大きく2つに分けると、「保健機能食品」と「それ以外」になります。
保健機能食品とは、「保険機能食品制度」によって認められた食品を指します。
保険機能食品制度については、厚生労働省ホームページにて以下のように説明されています。
※保健機能食品制度に関する業務は、平成21年9月1日に消費者庁に移管されています。
“「おなかの調子を整えます」「脂肪の吸収をおだやかにします」など、特定の保健の目的が期待できる(健康の維持及び増進に役立つ)食品の場合にはその機能について、また、国の定めた栄養成分については、一定の基準を満たす場合にその栄養成分の機能を表示することができる制度”
さらに、保健機能食品は3つに分けることができます。それらが「特定保健用食品(トクホ)」「栄養機能食品」「機能性表示食品」です。
特定保健用食品(トクホ)とは
通称「トクホ」とは、「特定保健用食品」のこと。
トクホは厳しい審査によって、健康の維持及び増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、消費者庁長官によって表示が許可された食品を指します。
「科学的根拠に基づいて」の部分においては、最終製品によるヒトでの試験を実施し、科学的に根拠を示す必要があり、莫大な金額がかかります。
そのため、残念ながら中小企業では取得が難しい表示でもあります。
そこで多くの健康食品には、国の審査が不要な「栄養機能食品」表示を行うケースが見受けられます。
しかしこの栄養機能食品表示とは、ビタミン類やミネラル類など指定栄養成分が、定められた基準値量をクリアして配合されていれば「栄養素ごと」に表示できるだけであり、効果の保証をしている訳ではありません。
そこで平成27年(2015年)から、「特定保健用食品」「栄養機能食品」に追加されたのが、「機能性表示食品」なのです。
機能性表示食品とは
機能性表示食品とトクホとの大きな違いは、表示認可を受けるまでのプロセスや手続きが簡略化されたことです。
トクホの場合、先述したように厳しい審査をパスし、消費者庁長官によって許可を受けてからの製造・販売という流れとなります。
しかし新しく設定された機能性表示食品の場合は、消費者庁に規定の資料を提出した時点で、製造・販売が可能となります。
さらに、トクホは最終製品を用いた「ランダム化比較試験(RCT)」にて、有効性を科学的に立証しなければなりません。
しかし機能性表示食品の場合は、「サプリメント」「加工食品」「生鮮食品」とカテゴリー分けしたうえで、トクホと同じく「ランダム化比較試験(RCT)」、もしくは「最終製品又は機能性関与成分に関する文献調査(研究レビュー)」で評価されるのです。
※ただしこれらの評価元の差は、前者が商品パッケージに「○○の機能があります」と表示できるのに対し、後者は「○○の機能があると報告されています」という表示になる。
つまり、トクホには「国の審査と許可」がなされているのに対し、機能性表示食品には「国の審査と許可は不要」であり、事業者が責任をもって科学的根拠を提出すれば表示できるのです。
表示の意味を知って自分で選ぶ姿勢が大事
最後に登場した「機能性表示食品」表示。このメリットは、トクホ表示を取得できるほどの莫大な費用をかけられない中小企業であっても、商品の特長をアピールすることができる点にあります。
ですが審査基準が甘くなり、国が責任を負わないという点から、消費者にとってリスクがあるのではあいかという批判の声があるのも事実です。
そのため、消費者側も「機能性表示食品」という表示だけをうのみにするのではなく、自分自身の判断で選ぶ姿勢を持つ必要がありますね。
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