話題の国内初の決済システム「あと値決め」って何?企業側のメリットは?
2019年8月29日から開始されたサービス「あと値決め(あとねきめ)」を、ご存じでしょうか。
「あと値決め」とは、「NP後払い」サービスを事業展開している株式会社ネットプロテクションズが新たに始めた、「購買から決済」に至るまでの全く新しい仕組みです。
では、「あと値決め」とはどのような点が新しい決済システムなのか、ご説明します。
「あと値決め」とは
「あと値決め」とは、その名の通り、「後から値段を決める」システムのこと。
つまり、顧客(ユーザー)は商品を購入したりサービスを利用したりした後で、顧客が「満足度」を判定し、価格までも顧客自らが決定して、支払いを行うのです。
従来の「購買・決済」の時点で市場の動きが止まるのではなく、実際の利用者による忌憚のない評価と値決めによって、クチコミが広がり、市場の活性化を促すことができる、という狙いがあります。
また、潜在顧客の「気になるけれど、無駄な出費になったらどうしよう」「コスパが心配」といった、実際の購買に至るまでの「失敗」に対する心理的なハードルを、自身が体験した後で価格設定できるという安心感に変えることで、集客率を上げる効果も期待できます。
あと値決めの使い方
あと値決めの使い方はシンプルであり、顧客は別途アプリのダウンロードやユーザー登録(クレジットカードその他個人情報登録)をする必要はありません。
また、サービス提供者側である事業者が懸念する、顧客の未払い(=未回収リスク)に関しては、ネットプロテクションズが「全て負担する」という仕組み。さらには、後払い時の決済手数料はかかりますが、サービス自体の利用料は「無料」となっています。
なお、事業者側で「最低価格」を事前に設定できるため、故意に不当な(本来の評価ではない)低価格を設定する顧客リスクは、ある程度回避できます。
企業側のメリットとは
あと値決めを導入する企業の多くは、1回のみで終了する顧客との関係ではなく、リピーターやファンの増加を見越しています。
そのため、あと値決めによって最初の支払額が低めだったとしても、継続的に関係を築くことができれば、企業やブランド全体の事業成長にとってはプラスと判断できるのです。
2019年10月現在、あと値決めを導入している企業はファッションレンタルのエアークローゼット、家事代行サービスのベアーズ、イベント運用をてがける自然経営研究会、ミュージカルを運営するP.A.TOKYO、会員制コース料理レストラン「OND」などを運営するサンメレの5社。
今後はシェアサロン運営のGO TODAY SHAIRE SALON、クラウド1on1サービスのエール、まちづくりにおける事業企画や建築設計・店舗運営のUDS、ホステル運営のLINDA hostel 106など、約30社が導入を予定しているとのことです。
顧客による正直な評価と価格設定という新しい決済システム「あと値決め」が、今後どのような展開を見せるのか、またどのような新しい市場の動きや広がりが起こるのか、動向から目が離せませんね。
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