EC運営でも無視できない「API」とは?WebAPI基本情報と導入のメリット・活用方法
インターネット関連のトピックスのなかで、ここ数年で広く耳にするようになった言葉に“API”があります。
ECサイト運営者にとっても、APIはいまや無視できない言葉であり、分からないままで終わらせてしまうと後で困ったことになりかねません。
そこでこの記事では、「APIとはそもそも何なのか」という基本的な説明をし、APIがなぜECサイト運営にまで関わってくるのかご紹介します。
APIとは
APIとは、英語の“Application Programming Interface”(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)の頭文字を取った略語です。
インターフェイスとは、「(あるモノとあるモノとの)接点」「仲立ち」「橋渡し」を意味します。身近な例では、USBは「PC」と「キーボードなどの周辺機器」の橋渡しをするインターフェイスのひとつです※。
そのため、APIとは「『アプリケーション』と『プログラミング』の橋渡しをするインターフェイス」を指します。
言い換えれば、「既存のソフトウェアが持つ機能を共有する仕組み」のこと。頻繁に利用される機能が、APIという橋渡しによって他社製品でも使用できれば、新しくプログラムを作る手間やコストをかける必要がなくなるため、効率化が図れるのです。
ちなみに、最近ではウェブ上で活用するAPIという意味の“WebAPI”(ウェブエーピーアイ)の割合が増えているため、単に“API”と呼びつつ“WebAPI”を指すことが多くなっています。
WebAPIの場合、APIはWeb上で公開されます。ソフトウェアを一部公開することで、外部からの利用が可能となり、アプリケーション同士が連携し動作するようになるのです。
※厳密には、USBは「ハードウェアインターフェイス」であり、APIは「ソフトウェアインターフェイス」に分類されます。
APIの具体例
ここまでの説明では、分かったような分からないような……、という方もいらっしゃるかと思います。そのため、次に具体的な例をご紹介します。それは、FacebookとInstagramの連携です。
InstagramはFacebook APIを活用しているため、Facebookのアカウントを持っているユーザーならInstagramも新しく情報を登録せずに開始することができます。
またこの連携によって、Facebookでの友達情報がInstagramと紐づけられ、Facebookの友達がInstagramを始めた時やInstagramに投稿した際には、そのお知らせが来るようになります。
このような紐づけができるのは、APIがFacebookとInstagramを橋渡ししてくれるからなのです。
ただし、Instagram開始時に必ず「Facebookへのアクセスを許可しますか?」とユーザーに確認する画面が出るため、ユーザーが知らない間にFacebook でのユーザー情報がInstagramで勝手に使用されることはありません。
このようにAPIを活用すると、ユーザーにとっても、複数のアプリケーションに個人情報をその都度登録するリスクを冒さずに済むメリットがあります。
別の身近な例では、Google MapsのAPIを活用すれば、自身のサイトにGoogle Mapsを表示させることが簡単にできます。もしもAPIがなければ、各々のサイト・企業が独自のマップ機能やアプリを開発しなくてはならなくなる、と想像するだけで、APIのありがたみが実感できますね。
APIの重要性
ではなぜEC運営者にとっても、APIは重要になってくるのでしょうか。
それは、たとえば自社が出店しているAmazonや楽天など大手モールのAPIを活用した場合、自社運営のECサイト上でも、そのモール店での最新データ(在庫情報、顧客情報など)を統一できるようになり、有効活用できるからです。
つまりは、自社ECサイトとモール店舗のデータを一元管理でき、マーケティング施策が散漫になりにくくなるメリットがあるのです。
APIを利用する方法
一般的な方法として、他社APIを利用するには、その提供企業から「APIキー」「シークレット」を取得する必要があります。これらは、外部からの侵入を防ぐセキュリティコードのようなモノです。
これらを取得するため、提供企業の専用サイトにて、利用者側のアプリケーション情報(「ドメイン」「どのドメインに返すか」など)を登録します。
そして、そのAPIを活用したいアプリケーションに、リクエスト送信機能を実装すれば、連携できるようになります。
APIでマーケティングを効率的に
APIを上手に活用すれば、ユーザビリティのみならず、企業側も効率的かつ効果的なマーケティング戦略の可能性が高まります。
とはいえ、いきなり全くウェブ関連の知識がなくAPIを活用する、ということは至難の業です。そのため本格的にAPI活用を視野に入れている場合は、まずは実際に導入しつつ使用方法を学んでいく必要があることを念頭に置きましょう。
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