カスタマーサクセス
運営 公開日:2019.02.12

カスタマーサクセスとは?カスタマーサポートとは異なる顧客への攻めの戦略

ここ数年で注目度が上がり、よく使われるようになった用語「カスタマーサクセス」、略して“CS”。

ですが「カスタマーサクセス」はまだまだ一般的ではなく、似たような用語として以前より使われていた「カスタマーサポート」と混合されてしまうことも珍しくありません。

そこでここでは、カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いを解説しつつ、カスタマーサクセスの特徴とその目的、重要性についてご紹介します。

カスタマーサクセスとは

カスタマーサクセス(英語表記 “Customer Success”)は、日本語では直訳で「顧客の成功」を意味します。

従来から存在するカスタマーサポートがその時々での「顧客対応、援助(=サポート)」目的であるのに対し、カスタマーサクセスは「顧客の『成功体験』を提供すること」を第一の目的とし、さらにステップアップして「成功体験を通して長くファンになってもらう」、未来に至る「価値の付与」を見据えた目的が続きます。

カスタマーサクセスの指標

各々の業務内容を簡単にまとめると、カスタマーサポートは提供するサービス・商材に対する「顧客からのクレームや不明点の解決」を行うことが主業務です。そのため基本的には顧客からの連絡を受けて答える「受動的」な姿勢となります。

しかしカスタマーサクセスの場合は、「顧客の『成功体験』を提供すること」が第一目的のため、サービスを提供する企業側から顧客へとアクションをかける「能動的」な姿勢が重要となります。

 

この「受動的」「能動的」というアクションの方向性の違いは、これらの業務がうまく機能しているかどうかの指標の違いにも表れています。

カスタマーサポートの指標が「受けた問い合わせ件数とそれに対する顧客満足度」であるのに対し、カスタマーサクセスの指標は「(自らが)アクションを起こしたことによる売上件数・売上高、解約率(の低下)」となるのです。

サブスクリプションモデルとは

ではなぜここ数年で、カスタマーサクセスという言葉が注目されるようになったのでしょうか。

その答えには「サブスクリプションモデル」(サブスクリプション型)というビジネス形態が深く関連しています。

「サブスクリプションモデル」とは、1回のみ商品・サービスを購入して終了する「買い切り型(もしくは「買い切り型」)」ではなく、月や年単位などでの「商品・サービスの利用期間」に対して契約金や使用料を支払うビジネス形態を意味します。

たとえばパソコン関連ソフトや電子書籍・音楽・映像配信サービス、車や家電・ファッションアイテムなど現物のレンタルサービスなどが、サブスクリプションモデルに当たる代表例です。

顧客に継続してもらうことが重要

繰り返しますが、サブスクリプションモデルという「ある一定期間ごとの契約」というビジネスモデルが世界的に増加してきたことにより、カスタマーサポートではなく「カスタマーサクセス」が、顧客獲得に向けて重要性を増してきています。

その理由は、サブスクリプションモデルが「顧客に長く契約を続行してもらうほうが、利益が出る」仕組みになっているからです。

1回だけ商品を購入してもらう「買い切り型」の場合は、その商品代金に顧客一人当たりからの利益が最初から想定され含まれています。しかしサブスクリプションモデルの場合は、最初の契約時にはそれほど多くの利益は含まれていません。

そのため顧客側からすれば、サブスクリプションサービスは初期費用が安く抑えられ、気に入らなければ解約することができます。

しかし反対に企業側からすれば、長く契約して定期的に使用料などの料金を支払い続けてもらうことで、顧客一人当たりからの利益が増えていく仕組みになっています。

そのため企業にとっては一度契約した顧客の心を離さないために、顧客からの問い合わせに対応する受動的なカスタマーサポートではなく、顧客に成功体験を与える(結果的にファンになってもらう)ために、能動的にアクションを起こすカスタマーサクセスの考え方が重要なのです。

カスタマーサクセスで攻めのコミュニケーションを!

カスタマーサクセスの考え方は、幅広い分野のビジネスに適用することができる、顧客とのコミュニケーションを密に図る新しい営業スタイルとも言えます。

様々なサービスが生み出され、淘汰される昨今、カスタマーサクセスという攻めの姿勢が、サービスや企業自体の生き残りをかけた戦略として、今後さらに主流となっていくのではないでしょうか。

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