リピート通販の定期縛りは売れない要因?気を付けるべきリピート商品販売手法
リピート商品を販売している多くのEC企業が行ってきた販売手法の筆頭に「定期購入」があります。
ですが2017年12月1日、特定商取引法(特商法)が改正され、定期購入コースを設けている場合、LP(ランディングページ)内やECサイトの該当商品ページ内、広告内に
・定期購入を契約する購入方法であること
・定期購入の回数・契約期間(縛りの回数)
・(縛りの回数内での)総額支払価格
などを分かりやすく記載しなくてはいけないことが義務付けられました。
※詳細は「消費者庁のガイドライン」をご参照ください。
どうしてこのような定期購入に関する表示義務が生じたのかと言えば、消費者センターや消費者庁への「定期縛りに関する苦情」が、EC市場拡大と比例して急増したからです。
ではリピート通販を行っている企業にとっても、定期購入の回数縛り自体がもはやデメリットになっているのでしょうか。
定期購入のメリット・デメリット
先述したように、定期購入に関するガイドラインができたことは「消費者(顧客)からの苦情・クレーム」が急増したためです。
クレームの内容としては「お求めやすい価格だから購入したのに、勝手に2回、3回と送られてきて支払を要求される」「購入をやめたいのに、回数縛りがあって解約できない」というモノ。
確かに中には、定期購入であることや回数に縛りがあることをあえて分かりにくく記し、リピート率と売上を無理に上げる販売会社が存在していたことは否めません。
ですがこのような悪質な方法は別として、定期購入の契約をしているリピーターが増えると、販売会社側としても毎月の売上予測が立てやすい、というメリットがあります。
さらに顧客側のメリットがないかと言えば、そうではありません。
顧客自身が定期購入であることを理解して契約しているのならば、気に入って使い続けている商品を「通常の価格よりもお求めやすい価格」で購入でき、定期的に自動で届けられるため「うっかり買い忘れる、ストックが切れる」心配もない利点があります。
離脱を防ぐためのプレゼント効果は?
このように本来なら販売側・購入側の双方にメリットのある定期購入ですが、やはり「回数縛り」があると、初回購入を検討される見込み顧客にとっては一気にハードルが上がるのも事実です。
そのため最近では、縛りの回数を「3回」にしたり、もしくは縛り自体をなくしてしまったりといった販売手法も増えています。
しかしこれに付随し、増えているのが「4回目での離脱率の上昇」。縛りの回数が終了した時点で解約してしまう、という意味です。
そこで「4回目、7回目……にプレゼントをつけてお届け!」と事前告知し、なんとかリピーターの離脱を食い止めようとする施策が目につきます。
しかしこのようなプレゼント施策は、ごく一部の顧客には響くかもしれませんが、実はそれほど離脱率を下げる要因にはならないのです。
ブランドに愛着を持ってもらう
まずはこのプレゼント施策を行うことを前提としての、プレゼントの提示方法についてご説明します。
結論から言うと、プレゼントを進呈する場合は「サプライズ」がオススメです。
前もって「〇回目には〇〇をプレゼントします!」と告知しておくのではなく、事前告知なしでいきなり渡す方が「意外性」「特別感」を与えて顧客の心をつかみ、「ブランド・ロイヤルティ」(ブランドへの愛着や忠誠心)を高めてもらうことができると言われているためです。
顧客にブランド・ロイヤルティを高く持ってもらうと、縛りがなくなった後でもよほどの理由がない限り解約をすることなく、そのままリピーターとして購入し続けてもらう確率が高くなります。
顧客との信頼関係を築く
とはいえ、サプライズのプレゼントだけでいつまでもブランド・ロイヤルティを持ち続けてもらうのは至難の業です。
そこで同時に継続して行わなくてはいけないのが「CRM」です。CRMとは日本語では「顧客関係管理」「顧客関係性マネジメント」と訳される、顧客一人ひとりとの親密な関係を作り出す施策・戦略を指します。
代表的なCRM施策としては「フォローメール」が挙げられます。フォローメールと聞くと、単純に自社商品を説明したメールを送るようなイメージですが、そのような押し付けがましいメール内容では、顧客はすぐに解約してしまいます。
正しい意味でのフォローメールとは、顧客の特徴をセグメントし、適したタイミングで適した内容の「顧客に寄り添った」メールを送ることです。
定期縛りがなくともリピート率を上げる秘訣は「顧客の声をくみ取り、不安に対する安心感を与える」こと。顔を合わせて接客をしないECであろうとも、有効なプロモーションを最適なタイミングで行うことで、必ずリピート率は上がります。
リピーター率アップは顧客との信頼関係
「定期購入は縛りを入れないとリピートしてもらえないのでは?」「縛りが終わったとたんに離脱されるのでは?」との懸念は当然のことです。
ですが顧客のデータを管理し、それを元に信頼関係を築くことができれば、多くのリピーターの確保につながります。
商品やブランドを長く愛してくれるファンを作ることを目標に、CRMを重視した販促施策を積極的に行ってきましょう。
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