プロモーション リスティング 公開日:2018.01.12

広告効果測定の各種設定とデータ分析

広告効果測定という言葉が出てから久しいですが、どんなweb広告を配信する際にも、この設定を行わないと効果の検証が出来ず、得られるものが少ないまま広告費だけを垂れ流すことになります。
無駄打ちとなっているので停止するのか、それとも継続して出稿していてもいいのか、複数の判断材料から検討をして取捨選択を行います。

広告効果測定で得られるデータは、広告個別の判断材料としてはもちろん、店舗全体の戦略に関するマーケティングデータとしても利用価値があるので、広告を出稿する際は必ず設定をして、それを活用することがセオリーとなっています。

各種コンバージョンタグの設置

まずは、広告掲載の効果を計測するのに一番重要な項目となる、コンバージョンをカウントするためのタグを設置します。
通販業界でよく名前が出てくるweb広告として、Google AdWordsや、Yahoo!プロモーションのスポンサードサーチ、YDN、Facebook広告、Twitter広告などがありますが、それぞれ出稿する広告のアカウントからコンバージョンタグを発行し、購入完了ページに設置します。

Google AdWords、Yahoo!プロモーションのスポンサードサーチ、YDNはそれぞれのコンバージョンタグを、facebook広告は全ページ共通のタグを設置した後に購入完了ページのURLを指定してコンバージョンのカウントを行います。

設置方法については各ショッピングカートによって多少異なりますが、大抵はコンバージョンのカウント用に購入完了ページにのみ反映するタグ設置欄が設けられているので、そちらにコピーペーストで貼り付けます。

Google Analyticsの活用

各広告アカウントの管理画面の数値だけでは、webサイトに入ってきてからのユーザーの動きを詳細に把握することは難しいので、広告効果測定においてもGoogle Analyticsの解析ツールを導入して検証をしていきます。
こちらでは、Google Analyticsの設定から順を追ってご紹介します。

アカウント開設

Google Analyticsの使用を開始するために、アカウントの開設を行います。
この開設に当たっては、Googleのアカウントが必要になりますが、Gmail以外の一般アドレスでも取得は可能です。

タグ設置、もしくはID設定

アカウントを開設したらタグの設置を行い、サイトの認証を行います。

管理>プロパティ>トラッキングコード

からコードの発行が出来るので、このコードを全ページに反映するの欄か、もしくはコードの中に’UA-〇〇〇〇〇〇〇〇〇-〇’などと記載がある、Google Analytics固有のIDをコピーして、ショッピングカートのID設定欄に登録します。

eコマースタグの設定

上記の目標設定に加えて、eコマースタグを設定することで、どの商品が売れていくら売上が上がったかまでの詳細のデータを連携することが出来ます。

管理>プロパティ>ビュー>eコマースの設定

ここで、「ステータス」と「関連商品」をオンにして、次の「拡張 e コマースのレポートを有効化」をオンにすると、目標到達プロセスの設定が出来ます。
ここには目標(購入完了ページ)までに通る、個人情報入力ページや配送設定、確認ページなどのカート内ページURLを、ページ遷移順に登録します。
この設定を行う事で、かご落ちのセッションを計測することが出来ます。

Search Consoleとの連携

昨今ではGoogle Analyticsのみでは一般の検索キーワードの詳細を把握することが出来なくなったので、Googleの別サービスである、Search Console(以前のweb master tool)の機能を連動させて、データを収集します。

管理>プロパティ>他のサービスとのリンク状況>すべてのサービス

から、Search Consoleを選んで設定します。
事前にSearch Consoleのアカウント登録とサイト登録が必要ですが、Google AnalyticsのアカウントがあればサイトURLを登録して、Google Analyticsのタグを使って簡単にサイト認証が出来るので、その場で別ウインドウを開いて登録できます。

Google Adwordsとの連携

Search Consoleと同じ場所にGoogle AdWordsとの連携設定があるので、こちらも設定を行います。
設定はGoogle AdWordsのアカウントIDを管理画面からコピーして、登録するだけです。
この設定を行う事で、Google AdWordsのキャンペーンやキーワードなどを自動的に反映してくれ、詳細なレポートを確認できるようになります。

各種プロモーションURLの発行

Google AdWords以外の広告媒体においては、URLの末尾に計測コードを付けたプロモーションコードを発行して、どの媒体からのセッションかを個別に判別できるようにします。
通常の入稿よりも一手間かかりますが、これを行う事でリスティング広告やその他の広告においても、詳細な分析が可能となります。

https://ga-dev-tools.appspot.com/campaign-url-builder/

から、「Website URL」欄に広告に入稿する予定のリンク先URL、「Campaign Source」欄にYDNなどの媒体名、必須ではないですが「Campaign Medium」欄には「cpc」など広告メディアの種類を入力して、プロモーションURLを発行し、そのURLを広告に入稿します。

広告効果測定で確認するポイント

ここでは一般的に広告効果測定で確認すべきポイントを簡単にご紹介します。

クリック率

広告のクリック数を表示回数で割った数字で、このパーセントが高いほど、キーワードやユーザーにマッチした広告が配信されているという指標になります。
特にリスティング広告では、この数字が低いと品質スコアが上がらず、成果が出にくくなるので、広告文や広告設定オプション、キャンペーン構成などの改善が必要になってきます。
この数値は各広告の管理画面からのみ確認ができます。

コンバージョン数(CV数)

広告を経由して購入・申し込み完了に至った数で、一番重要な数値となります。
各管理画面でも確認はできますが、必ず各媒体での重複が出てきてしまいますので、最終的にはGoogle Analyticsや各ショッピングカートの広告効果計測ツールの数字を参考にします。

コンバージョン率(CV率)

コンバージョン数をクリック数で割った数値で、このパーセンテージが高いほど効率よく広告配信が出来ているという基準になります。
どのWEB広告いおいても、この数値が1%を下回ると効果が悪いと判断せざるを得ないので、一旦広告を止めてでも、広告素材のクリエイティブやキャッチコピー、配信先ユーザーの見直し、ランディングページの改善などを図る必要が出てきます。
一番の課題となるのがこの項目で、常に注意をして改善していくべき数値です。

コンバージョン単価(CPA)

広告コストをコンバージョン数を割った数値で、1件の購入を獲得するのにかかった広告費の平均額が確認できます。
単純にリピートを考えなければ、この数値が原価を上回ると赤字となります。
ただ定期購入の場合はリピートがあるので、LTVの分析をもとにいくらまでならCPAを上げても利益が取れるかを検証したうえで、CPAの設定をすることで収益の最大化を図れます。

平均サイト滞在時間

こちらは参考値程度の数値となりますが、ユーザーがサイトに訪れてどのくらいの時間滞在してくれたかの平均数値をGoogle Analyticsから確認できます。
この数値が高いほど、ページに魅力があるということになります。

ページ読了率

ランディングページのどの位置までスクロールしたかのデータを確認します。
こちらは専用のツールを利用するか、特殊な設定が必要となるのでまた別の機会にご紹介します。

その他、一般的なアクセス解析の場合は平均PV数や直帰率も確認はしますが、広告の場合はランディングページで他のページに遷移させないので、この項目はあまり参考にしません。

コンバージョンの定義は媒体によって違う

各広告媒体にコンバージョンという項目は必ず存在しますが、成熟した感のあるリスティング系の広告に比べて、SNS広告や動画広告、その他のマイナーな企業のDSPにおいては、コンバージョンの基準があいまいなものが多数あります。
一見CPAは良く見えていても、実はビュースルーコンバージョン(クリックではなく表示で計測)が含まれていたり、計測期間が長期にわたっていたりと、気を付けないと数字のマジックで知らず知らずのうちに広告費の無駄打ちを行っているケースが多々あります。

また、コンバージョンが多く取れている媒体と重複してコンバージョンがつく場合がほとんどなので、実際のコンバージョン数はもっと少なく、広告の管理画面の数字はあくまで参考値として考えるのが妥当です。
そこで、重要になってくるのが、広告効果計測ツールでの統一のルールで計測した、直接コンバージョンの数値です。

直接コンバージョン数を計測する

直接コンバージョン数は、どの媒体が最後にクリックされてコンバージョンに至ったかを計測した数字で、このデータを参考にすることで、どの媒体での施策が本当に効果があるのかを把握することが出来ます。
管理画面のコンバージョンが多くても、この直接コンバージョンの数が少なければ、間接的にはクリックされたものの結局は掲出しなくてもよかった媒体と判断し、広告の停止を検討します。

ショッピングカートの広告効果測定も同時に活用して日々確認する

定期購入のショッピングカートにおいては、Google Analyticsと連動して、独自に広告効果測定ツールを用意している例も多く、定期購入の業界に合わせてカスタマイズされた計測画面にて情報を確認することが出来ます。
広告の数字は生き物のようなもので、常に見ていないとなかなか把握が難しいので、まずは上記であげた項目の数字が、日々どのように推移していくかを確認するところから始めましょう。

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