D2C
運営 その他 投稿日:2019.06.12

D2Cって何?小売業界の常識を打ち破るビジネスモデルの注目される理由と事例紹介

アパレル系を中心に、小売業界のこれまでの常識を打ち破る新しいビジネスモデル「D2C(ディーツーシー)」。

D2Cとは“Direct to Consumer”の略であり、直訳するなら「消費者との直接的な関係」を意味します。

つまりは、店舗や卸業者・仲介業者、外部委託の製造業者や広告企画業者など、一切の「第三者」を介することなく、消費者とメーカーが直接やり取りをし、商品の売買を成り立たせるビジネスモデルを指します。

ここ数年で注目度が高まっているD2Cですが、ではなぜこれほどまでに話題となっているのか、その理由と具体的な事例をご紹介します。

D2Cとは

先述したように、D2Cとは“Direct to Consumer”の略。

メーカーが自社内で商品企画から製造まで(外部他社の手を借りずに)一括して行い、他社店舗に卸すコストを省いて、自社が運営するECサイトにてダイレクトに消費者に販売する小売り方法を意味します。

以前から存在するSPA(“Specialty store retailer of Private label Apparel”の略。日本語で「製造小売」)と混同されることもありますが、SPAが自社運営の実店舗にて商品販売を行うのに対し、D2Cは実店舗を一切持たず、ECサイトのみでの販売に限っているのです。

※SPAの国内代表例:株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ、GU)、株式会社良品計画(無印良品)など

D2C のベースとも言えるSPAもまた、商品企画・開発から(実店舗・ECサイトでの)販売までを自社のみで行い、仲介業者を挟むことで発生するマージンを削減することで大幅なコストカットを実現してきました。

しかしそこからさらにコストカットを叶えるために生み出されたのが、実店舗さえも扱わないD2C業態なのです。

D2Cが注目される理由

ではなぜD2Cがここ数年で増え続け、注目を浴びているのでしょうか。その理由として、スマートフォンとSNSの発達が挙げられます。

スマートフォンがなかった、もしくは今ほど普及していなかった時代には、消費者が企業(メーカー)に直接要望や意見を「気軽に」伝える手段はほぼなく、また企業が消費者の生の声を直接聞くことも、(メーカーが実店舗運営していない限り)直接販売することもほぼありませんでした。

ですが今や世界中でスマートフォンが当たり前のツールとして普及し、インスタグラムなどSNSの使用者数が膨大となっている現在、SNSを通して企業と消費者が手軽に直接意見交換をしたりするなど、オープンなコミュニケーションの場が手のひらサイズで存在しています。

そのため企業側は複数のメディアで高コストの広告を打つ必要性がなくなり、ECサイトのみに絞ることで人件費などがかかる実店舗を運営するリスクとコストを大幅にカットできるようになりました。

さらに企業はSNS上で消費者の声をリアルタイムで集めることができ、広報活動として新鮮な情報を適切なタイミングで開示することで、消費者の声を反映させた自社商品・サービスを大々的に広めることができるようになったのです。

合わせて消費者側も、製品の企画から販売までに発生する無駄なコストが省かれた分、良品を従来よりも低価格で購入でき、また実際に使用・購入する側の要望が反映された「欲しい製品」が提示されるメリットがあります。

このようにSNSとECサイトをうまく活用した企業は、ブランド力を上げることで更なる飛躍を実現させています。そこで従来のサプライチェーンでは利益が出ないと判断した企業は、商材ジャンルに関係なくD2Cを採用するようになってきているのです。

D2C事例紹介

ではここからは、D2Cで成功した具合的な事例をご紹介します。

【D2C事例1:Warby Parker】

「Warby Parker」は、2015年にアメリカのメディアにて「世界で最もイノベーティブな50社(THE WORLD’S 50 MOST INNOVATIVE COMPANIES)」で1位に輝いたことがあるメガネメーカー。

2010年にニューヨークにて、ペンシルベニア大学在籍の4人の学生によって創業されました。

創業当初は「95ドル」のみのメガネに絞り(現在は複数の価格ラインあり)、配送・返送ともに無料、5つのフレームを5日間無料トライアルできるなど、ECサイトでしか購入できないことによるデメリットを払拭。

現在では実店舗もあるものの、SNSを通しての消費者との密な交流により、単なる購入者ではなく「ブランドのファン」を長期的な視点で獲得しています。

【D2C事例2:Everlane】

2010創業、アメリカのアパレルブランド「Everlane」。最も特徴的な点が、ブランドメッセージに掲げる「根本的な透明性(Radical Transparency)」です。

Everlaneで扱われる製品は、製造過程で発生するコスト(素材費、人件費、輸送費、関税など)や製造工場の場所などがすべてECサイト上で開示されています。

また一部のセールアイテムに関しては、消費者に3段階の値段を提示。一番低い価格は「Everlaneに入る利益は0」であり、一番高い値段では「私たち(Everlane)が成長するための資金も含んだ価格」となっています。

サステナビリティ(持続可能性)に対する姿勢が問われる昨今、まだまだ不透明なコストが多いアパレル業界において、実店舗はなくとも消費者の信頼を勝ち得たEverlaneのブランディング力に注目が集まっています。

【D2C事例3:Glossier】

有名ファッション雑誌社勤務だったエミリーワイズが2010年に立ち上げたブログにて、ユーザー(読者)とのコミュニケーションを発展させたことが発端となり、2014年に生まれたニューヨークのコスメブランド「Glossier(グロッシアー)」。

SNSですでに(コスメ好きな)ファンを獲得していたため、ファンのリアルな要望を反映された製品作りを強みにし、創業直後から効果的な集客に成功しています。

D2Cで長期的な囲い込みを

D2Cというビジネスモデルはまだ生まれてからそれほど時間が経っていないため、今後の動向も含めて注目度が高まっています。

消費活動がシビアになっている昨今、まずは消費者とダイレクトに信頼関係を築き「ファン」になってもらう事から始めるのが、集客数を増やすための第一歩として有効なのかもしれません。

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