22年6月施行予定の定期購入規制ガイドライン案
運営 公開日:2022.03.03

注目!22年6月施行予定の定期購入規制ガイドライン案の懸念点とは?

定期通販などECショップ運営ご担当者にとって、2022年6月施行予定の改正特定商取引法に含まれる、定期購入規制ガイドライン案は頭を悩ます懸念事項のひとつではないでしょうか。

2022年6月1日以降、この改正により、ガイドラインから外れているとみなされる誤認表示によって購入申込をした消費者は、契約を取り消しできるようになります。

なお、この2022年6月の1年後の2023年6月には、現代デジタル社会に則り、消費者と交わした契約書面について、消費者の承諾を条件として電磁的交付をすることを認める事になります。

ここでは、2022年6月施行予定の定期購入規制ガイドライン案について見ていきます。

定期購入規制ガイドライン案の背景

スマートフォンの普及とともに、インターネットを使った通信販売市場が拡大する昨今、購入に関する事業者と消費者とのあいだでのトラブルも増えてきています。

特に増えてきているのが、「定期購入(サブスク)」に関するトラブル。実際、消費生活相談件数の推移が、右肩上がりで増加しているのです。

トラブル事例としては、たとえば「お試し実質無料」「初回限定●%オフ」という表示。これにより、消費者は「1回購入だけ」のつもりで購入手続きをしたが、実際には定期購入契約をしていた、というものがあります。

また、定期購入であることは理解していたものの、「いつでも解約できます」の文言が記載されていても、実際にはメールも電話もつながらず解約できなかったり、契約違反として追加請求をされたり……、というトラブルも少なくありません。

そこで、2022年6月1日より、現行以上に厳しい表示規制を設けた定期購入規制ガイドライン案が試行されることになったのです。

※参考資料:消費者庁提供のチラシ「ちょっと待って!!そのネット注文“定期購入”ですよ!」

施行によるコストと短期間での対応に懸念

ガイドライン案の前提は、消費者が契約内容を誤認しないようにすることです。そのため、たとえば購入の最終確認画面やポップアップ画面などにおいて、契約内容を細かく明示する必要があります。

【消費者に明確にしないといけない項目例】
・1回のみの購入なのか、自動で2回目以降も送られてくる定期購入(サブスクリプション)なのか
・定期購入の場合、2回目以降の支払い代金に変更があるのか
・定期購入で縛りがある場合、消費者は最低回数では総額でいくら払わないといけないのか

確かに、意図的に誤認させるように誘導する表示をすることで、消費者が契約内容を理解せずに契約してしまうことには問題があります。

ですが、通信販売業界のほか、新経済連盟(新経連)が懸念を示すように、今回のガイドラインが試行されると、大多数の通販事業者がシステム自体を改修する必要に迫られるのです。

また、施行日が2022年6月1日であることから、期間があまりに短く対処しきれない、という点も懸念材料となっています。

EC事業全般における影響が懸念される

今回の定期購入規制ガイドライン案は、定期購入事業だけではなく、EC事業全般における影響が予想されており、業界全体の問題となっています。

消費者を守ることは大前提ではあるものの、早急に対応を迫られる事業者に対して配慮がなされるように、今後も法改正の動向に注目しましょう。

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