ペルソナ設定は本当にマーケティングに役立つ?
商品企画をはじめWebサービスから、ブログ記事の作成まで、今やあらゆる場所で活用されているペルソナ。
しかし、架空の人物を作り出しその人に向け商品企画を立ち上げたり、情報を伝えていくという行為は本当に必要なのでしょうか。
そもそもペルソナとは?
マーケティングにおけるペルソナとは、商品やサービスを展開する上で、理想的な受け手となる人物像のことです。しかしこのペルソナは、顧客そのものを指すわけではなく、あくまで商品やサービスを送り出す作り手が、想定する形で作られます。
こう聞くと「商品企画を行う人が勝手に想像した人物像」であると思われがちですが、実際には既存顧客へのインタビューや定量・定性データの分析を繰り返し行いながら、根拠のある情報を集積させ、よりリアルで現実味のある人物を設定していきます。
こうして出来上がったペルソナは明確な性格付けや、背景が用意されます。
これらは、名前や年齢、居住地区、学歴、職位職歴、仕事のスタイル、家族構成、恋人の有無、余暇の過ごし方、趣味、使用するPCや携帯電話のデバイス、メディアとの関わり方や頻度、口癖、好きな商品、好きなデザイン、人生の設計や将来の夢といった事細かなところまで微に入り細を穿つようにして作られます。
ペルソナのメリット
こうしたペルソナを作る理由はいくつもありますが、以下に主だった理由を挙げていきます。
①ターゲットが明確になり、方向性を絞ったコンテンツ作成が可能となる
商品や情報を誰に届けるのかを意識することで、曖昧な商品企画や情報提供の方向性を絞ることができます。
②チームでの意識共有が可能となる
商品開発チームを組んでいる場合、明確なペルソナを用意することで自分たちの目指すべき方向性をチーム全員が共有することが可能となります。
③企画のブレ・脱線が少なくなる
上記の2に付随することですが、試行錯誤を繰り返すうちに企画が徐々にぶれていくことは往々にしてあり得ます。こういった時ペルソナは、原点に立ち返り、ユーザー目線へと思考を戻すための重要な指針となります。
ペルソナを活用した事例
大企業でも十数年前よりペルソナを使ったマーケティングが行われており、現在私たちが広く知る商品や企画にも生かされています。
①Soup Stock Tokyo の事例
現在では全国各地に点在するSoup Stock Tokyo。十数年前から急成長を遂げた企業ですが。この発展の背景にあったのはペルソナマーケティングでした。
Soup Stock Tokyoが考え出したペルソナは、37歳のキャリアウーマンで、都心在住、合理的でアクティブな「秋野つゆ」という女性でした。
商品開発や店舗設計においてこのペルソナを満足させる手法を考え展開していった結果、わずか10年で売り上げ高42億を達成、50以上の店舗を展開することに成功しました。
②MEN’S TBC の事例
女性だけでなく、男性をターゲットとしたペルソナマーケティングで成功を収めたのは、エステティックのMEN’S TBC。三軒茶屋に住む大学院生をターゲットにした同社は、その生活スタイルや行動を予測し、コンビニを中心に男性向けのコスメの販売を開始。
その数年後にはMEN’S TBCの認知度は飛躍的に高まり、マーケティング開始以前の3割以上の問い合わせ件数アップを成し遂げました。
ペルソナにもデメリットはある
こうした有用性の高いペルソナですが、幾つかのデメリットがあります。
一つ目は、正確なデータの集積に時間がかかるという点。もう一つは、ペルソナ設計が不十分である場合、間違った顧客像が出来上がってしまうという点です。
とはいえ、正しい方法で論理的にペルソナを作成することができればこうしたミスマッチは起こりにくくなりますし、ペルソナの設定自体はマーケティングを成功に導く優れた手法であることに変わりはありません。
今後、本記事とともに本ブログでも皆さんのお役に立つべく、ペルソナ設計の手法を詳しく紹介してまいります。
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